冬になると父は 1週間に一度ぐらいの頻繁な割合で
大好物のイカの塩辛を作っていた しかも大量に!
作って3日後くらいが一番美味しい 私も楽しみだった
仙台は海に近いから立派なイカが売っているかと思っていたのに
なぜか実家のそばのスーパーの方が全然良かった
結局 こちらに来てから一度も作らずじまい
父の塩辛は 塩と日本酒のみで作るのだがこれがすごくうまい
これはイカの選び方と 切り方 絶妙な配合によるんだと思う
子供の頃から 父の塩辛を食べてきた私は
初めて市販の塩辛を食べたとき驚いた あまりの『不味さ』!に
お店で出てくる高級な塩辛も 何か余計なものが入っている
と感じてしまうのだ
イカの塩辛はそのまま 熱々の白いご飯にのせて食べるのは
もちろん美味しいのだが もう終わりの頃の塩辛を
器に取って そこに熱湯を注いで食べるのが楽しみだった
この食べ方は最近周りが誰も知らないということに気づいた(!)
塩辛がピンクがかった白色に変わって とろっとろになる
すぐに食べてしまわないと 箸で挟めないほどに
蕩けて無くなってしまうのだ
これは作ってから時間が経った塩辛でないと蕩けない 不思議だ
ちょっと無作法な食べ方かなと思っていたけど
贅沢な食べ方だと思う★
父の作る塩辛を 父が亡くなったからもう食べれない
これは生前も ふと頭をよぎることはあった
父が何度も作っている姿を見たが ちゃんと実践で
教えてもらったとき なんとなく最初で最後な気がした
今から10年近く前なのだけど
一番遊びたい盛りだったし 母のいない家庭で
炊事を手伝うのが嫌いで 嫌々やっていたのに
なぜかそのとき 一度ちゃんと習いたいと思った
父の味が出せるように 頭の中の記憶を辿って目指して行こう
いつか自分が死んだ後に 私の料理を心から食べたいと
思ってもらえたら幸せだと思う
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